第103回 竹和紙漉き体験講習会

2019年7月23日(火)に竹和紙漉き体験講習会を開催致しました。
会場は八王子市元八王子町の知的障害者の生活拠点である「結の会」内の紙漉き工房です。
今回の体験者は4人で、全員が町田市在住でした。そのうちの一人は小学校3年生の男子で、
両親と一緒にスイスに住んでいます。夏休みを利用して日本に帰国した機会におじいさんに連れられて紙漉き体験に参加しました。大変楽しい経験をした様子でした。この男の子の夏休みの自由研究に役立てば嬉しいです。
今回の受講者の方は、私達のグループが続けている竹林の管理活動、竹繊維の生産や竹和紙を作っていることに大きな関心をお持ちになったようです。町田市でこの活動が広まってゆくことを期待してます。

終わりに、参加者の岸本さん(町田市在住)の感想文を掲載いたします。

今日は本当にありがとうございました。材料の仕込みや、普段からの竹林の手入れ、その事のご苦労を想像すると、今日体験させていただいた内容は美味しいとこどりなのかな、と思ったりしました。長い年月をかけないと、あのような素晴らしい竹林にはなりませんね。(今度、竹林整備の五段階の目印について詳しく教えて下さい!)設備や道具、作業の工程も一から試行錯誤で始められた事、地域の中に溶け込み活動を長く続けられている事…大変勉強になりました。私は今日のような紙が本当の紙だと思いますし、それを特別な物としてではなく、日常で当たり前に、大事に使う、そのような暮らし方や、昔の人の生活や知恵、そこにあった感覚、風景に惹かれます。それはきっとこれからますます変化していくものですよね。渡辺さんの年代の方々が子供の頃に見ていた風景と私とでは随分違う。今日来ていた子供はもっと違う。目先の効率しか考えられていない、後始末の悪いモノと、考え方が溢れています。そしてそれを当たり前のように与えられる子供達。今日のような紙は自分の畑に漉き込んだとしてもちっとも嫌じゃない、土から生まれたものですね。

紙作りも同じかと思いますが、かご作りも、それにかかる手間は、現代の労働の在り方や、モノの値段を基準に考えると高級品となってしまいます。そのようにしてますます自然の物が生活から離れていってしまいます。このような、人中心、目先の効率の時代の流れは当分続きそうですが、その間にも物事を知っている先人達が居なくなっていくのは、心もとない事です。

あの竹林に入ったら心が洗われるようでした。最初に送って下さった紙を触った時も同じ気持ちになりました。とても楽しい気分になるのですから、不思議なものですね。パリオの打ち合わせは、19日ですね。よろしくお願いします。今日参加していたお二人、私は町田で関わる事になるはずです。偶然って凄いです!

 

2019年7月23日(火)
紙漉き体験の次にちぎり絵のアートをおじいさんと楽しみました。
2019年7月23日(火)
竹林内にある竹繊維生産現場の見学後
の参加者の皆さんです。